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  • Zashikiwarashi’s story | YOKAI ACADEMY

    Characters 座敷童子ちゃんの探し物 「ざ、ざしきわらしが出たぁ!」 日曜のまっぴるま、となりの部屋でおひるねをしてたはずの父ちゃんが大声を上げた。 台所にいた母ちゃんと僕は、目を合わせると、父ちゃんの部屋にかけこんだ。 僕はユウヤ。 自分で言うのもなんだけど、かしこい5歳児だ。 おまけに思いやりもたっぷりある。 5歳にして、家にある絵本はぜんぶ読んじゃったし、父ちゃんの隠してる”ぐらびああいどる”のしゃしんしゅうだって読めたよ。母ちゃんのぶらじゃとはおおちがいだったよ。 「あ、あの座敷童子!お、おれのロレックスをつけてやがった!」 「は?あんた何言ってんの、うちにロレックスの時計なんてないでしょうが!」 母ちゃんはめんどくさそうだ。 でも母ちゃんは知らないんだ。父ちゃんがこっそりゴージャスな、うで時計を隠し持ってたこと。 僕は知ってる。父ちゃんは、僕が知ってることを、知らないと思うけどね。 「い、いや、それはだな・・・」 父ちゃんと母ちゃんは、ざしきわらしちゃんのことはすっかり忘れて、ロレックスの話をし始めちゃった。 ざしきわらしって座敷童子って書くんだよね。 人間じゃなくて妖怪なんだよね。 僕は知ってるよ。かしこいからね。 うちにも座敷童子ちゃんが来てくれたのか。うれしいな。会ってみたいな。 父ちゃんの部屋を見渡しても座敷童子ちゃんは見当たらない。 父ちゃんが大きい声を出すからどこかちがうお部屋に行っちゃったのかな。 やんややんやと言い合ってる父ちゃんと母ちゃんを残して、僕は母ちゃんと僕のお部屋に行ってみた。 ドアを開けてお部屋の中をパッとみわたしてみたところ、それっぽい人?妖怪?の姿は見えない。 ぐるっとお部屋の中を歩いてみてもう一度ドアの方を見る。 そこでふうっと息をひとつ吐いて、呼んでみた。 「座敷童子ちゃん、いる?」 「呼んだかぃ?」 せなかの方から声が聞こえて、僕はふりかえった。 窓から太陽のひかりがたくさんふり注いでいて、小さい子がいるような影しか見えない。 「太陽がまぶしくてキミが見えなくてごめんね。僕はユウヤ、かしこい5歳だよ。キミが座敷童子ちゃん?」 「そうさ。アタイが座敷童子じゃ。」 「座敷童子ちゃん、こんにちは。キミからは僕が見えるの?」 「よく見えるぞぃ。かしこいユウヤ。」 「僕の名前覚えてくれてありがとう座敷童子ちゃん。でも眩しくてよく見えないんだけど、そっちに行ってもいい?」 「アタイが移動してやろう」 座敷童子ちゃんはそう言うと、じゃらじゃらと音を立てながら、なんだか僕自体をすり抜けたみたいに、ドアの方にす〜っと移動してきた。 僕はもう一度、くるっとまわると、今度は太陽じゃない光がまぶしくてパッと目を閉じちゃったけど、ゆっくり細めて目を開けていったら、すぐになれたみたい。 座敷童子ちゃんがハッキリくっきり見えた。 まぶしいはずだ。 座敷童子ちゃんは、着物みたいなお洋服をかさね着してて、アチコチに光る玉みたいなのをい〜っぱいぶら下げてる。 じゃらじゃら音がしてたのはそのせいだったんだね。 長ーい髪の毛にもキラキラ光る何かをい〜っぱいつけてる。 「うーん、この部屋はデンパが悪いのぉ」 座敷童子ちゃんがスマホを頭の上の方に掲げると、手首につけた父さんのロレックスがはっきり見えた。 「光るものをい〜っぱいつけてるんだね」 「アタイが好き好んつけてるわけではないぞぃ。人間に忘れられた物たちの声がやかましいんじゃ。だからアタイの一部にしてるんじゃ」 「そうだったんだね。座敷童子ちゃんはやさしいね。僕とおんなじだね。」 「かしこいユウヤよ、なにゆえアタイを呼んだのじゃ?ユウヤもアタイの一部になりたいのかぃ?」 「ううん。ちがうよ。僕は僕を忘れてないし、父ちゃんと母ちゃんも僕を覚えてるからね。座敷童子ちゃんのお洋服にはくっつけなくていいよ」 「そうかぃ。ではなにゆえ、アタイを呼ぶ?」 「父ちゃんはね。その時計を隠してたけど、忘れてたわけじゃないんだ。大事に大事にしまってたんだ。時々こっそり見るためにね。その時計を見る父ちゃんはものすん〜〜〜〜ごくニコニコしてるんだ。だからその時計を返してほしいんだ。」 「そうなのかぃ?」 座敷童子ちゃんはもう一度右うでを大きく空につきあげた。 ダボダボしたお洋服が肩の方におりて、僕の父ちゃんのロレックスがまた顔を出した。 僕にはロレックスの声は聞こえなかったけれど、座敷童子ちゃんの声は聞こえる。 「ふむ。そうかぃ。おまえさんもそれでいいのじゃな?」 座敷童子ちゃんはロレックスとお話ししてくれたみたいだ。 ダボダボのお洋服から左手を出しもしないで、そのまま右腕に巻いたロレックスをゴソゴソとはずした。 「ほれ。やるぞぃ」 「ありがとう!座敷童子ちゃん!ロレックス!」 「ふむ。かしこいユウヤ。アタイは忙しいからもういくぞぃ。」 「あ!座敷童子ちゃん、ちょっとまって!」 僕は母ちゃんがキラキラの玉を持っていたのを思い出して、引き出しから出して座敷童ちゃんに渡した。 「おかえしにこれあげるよ!時計さんはダメだけど、こっちなら大丈夫だと思うから!」 「おお!そうかぃ?うんうん、おまえもアタイに連れて行って欲しいのか?よし、ではいくとしよう。またなユウヤ。」 そう言うと、座敷童子ちゃんはじゃらじゃら〜ッと音たてながら消えていった。 こうして今、僕の手には父ちゃんの大事なロレックスがある。 さて、どうしたものか。 どうやら母ちゃんが怪しんで父ちゃんを追いつめてるようだ。 仕方ない。まだやんややんやと騒いでいる父ちゃんと母ちゃんのところに行くことにしよう。 「父ちゃん、ごめんね。父ちゃんの大事にしてたお時計さん、腕に巻いて欲しそうだったから、僕、巻いてみちゃった。僕には大きかったみたい」 「お、おおおおおおおーーーー!!!!!おれのロレックスーーーー!!!!!!」 父ちゃんは、何より先に僕の手からロレックスを取り上げて両手でつつんた。 母ちゃんの視線が、こわい。 「…じゃ…ねえや…ユウヤ、ありがとよ。すまんな。」 父ちゃんはそう言うと、嬉しそうに僕の頭をなでた。 「あんた。それは・・・どういうこと、だい?」 母ちゃんが低い声でゆっくりと話しかける。 こういう時のかあちゃんはとってもこわいんだ。。。 父ちゃんがんばれ・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ンーーーーーおかしいなぁ。 いつも髪につけていたんじゃが。。。 どこかに落としてしまったのか???」 「おーい座敷童子!いるかぁー!?」 ガラガラっと勢いよく家庭科室のドアが開きながら、大きな声が鳴り響いた。 「なぁ!座敷童子!ジャージのチャックが壊れちゃってよ〜直してほしんだ!あれ?いないのかぁ?」 「うるさいのぉ!誰じゃアタイを呼ぶのは!?」 そう言って座敷童子ちゃんが机の影からほこっと顔を出すと、テニスラケットを振り回しながら夜叉が突っ立っていた。 「おまえさんか。アタイは今忙しいんだ!そもそもアタイが家庭科室にいる時は入ってくるなといつも言っておるじゃろ!」 「いやぁ、思いっきりサーブ打ったらよ、ジャージのチャックが外れちまってよぉ。なおしてくれない?」 「だからアタイは忙しいといっとるじゃろ!そもそも毎度毎度おまえさんは、服が破れた、靴が壊れたとアタイに直させるが、どうやったらそんなに壊れるんじゃ!」 「そんなん俺だって知らねーよ。俺の運動神経が良すぎるからじゃね?ほら、ダイナミックだからよっ」 「とにかく今アタイは探し物で忙しいんじゃ!邪魔だから出てけ!」 「なんか探してんの?じゃあ俺も探してやるよ!そんで俺のジャージ直してくれよ!」 そういうと、座敷童子が断る間もなく、夜叉はジャージの袖をまくり、床に四つん這いになった。 「んで?何探すんだ?」 「こんくらいの玉じゃ」 「ビー玉くらいのキラキラのボールを探せばいいんだな?そんなに大事なものなのか?」 「おまえさんには関係ない、黙って探すのじゃ!じゃなきゃ帰れ!」 「おー、こわ。そんな怒んなよ。すぐに見つけてやっからよ!」 そうして探し物を始める二人。 「でもさ、おまえそんなキラキラしたもん、身体中につけてるじゃん。一個くらい別にいらなくね?」 「・・・」 「そんなにいっぱいつけてて、運動するには邪魔だしよぉ」 「・・・」 「どうせまたどっかから新しいのを持ってくるんだろ?」 「アレは特別なんじゃ・・・」 「え?なんか言った?」 「なんでもない!早く探せぃ!」 ちょっと探してはあーだこーだ言う夜叉に対し、無視しつつ、時折うるさいと一喝しながら探し続ける。 「あーもう、腰痛い!」 と言って、夜叉は立ち上がって体をぐーっと伸ばすながら、窓の外を見る。 「早くしねーと、練習終わっちまうよ!」 と言いつつ振り返ると、机の上のミシンを夕陽が照らす。 キラッ。 まぶし!と思い、ミシンに近づいた次の瞬間、 「なぁおまえが探してたのは、ビー玉なのか?」 そう夜叉がいうと、伏していた座敷童子がものすごい勢いで立ち上がった。 「そうじゃ!あったのかぃ!?」 「これか?」 夜叉の指にはキラッと光る玉が。 「おお!それじゃそれじゃ!」 「これってただのビー玉じゃねーか。俺はてっきり宝石かなにかかと思ってたぜ。おまえビー玉でも身につけるのかよ?」 憎たらしいくらいニヤニヤしている夜叉を見て、飛びつく座敷童子。 「これは、特別なんじゃ。あの子がくれたものなんじゃ。」 「あの子?誰だ?普段おまえは声を聞いて持ち帰ってくるんじゃねーの?」 「あぁ、だから声は聞いていないが、あの子がくれたこれはどんな宝石よりも特別なんじゃ」 「ふーん。それよりさ、おまえの探しもん見つかったんだから、俺のジャージ直してくれよー」 「おまえさんは。。。仕方ない奴じゃの。ほれ、貸してみぃ」 そう言いながら、どこなく嬉しそうな座敷童子さんは夜叉からジャージを受け取ると、慣れた手つきで針を取った。 いつものヨカデミの放課後が過ぎていく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「母ちゃん、その真珠どうしたの?」 「ずっと前になくしたと思ってたのが引き出しの奥から出てきたんだよ!」 「え?でもそれは座・・・」 「ん?なに?」 「いや、なんでもない!見つかってよかったね!」 座敷童子ちゃんが来た家には福がくる、らしいよ! ストーリーを読んでいただきありがとうございます! 座敷童子さんの詳細ページ

  • Short Stories | YOKAI ACADEMY

    Short Stories Short stories for each YOKAI can be found here. Amabie-san, a miserable day. When I went to school after diving from my home tank to the next tank, the YOKAIs gathered as usual. "Amabie-chan! Give me a self-portrait card!" "For me too!" "For me too!" The kind-hearted Amabie told us to stand in a line without making a Read more Kinkaku-kun , Close call! “Is Kinkaku-kun today too?” Even though the teacher is stunned, he says it can't be helped. There are some so-called mischievous YOKAIs in the class who often don't come to class, but Kinkaku-kun's situation is a little different. Read more 僵尸娘(キョンシーガール)は諦めない。 「あなた彼女いますか?」 「私のカレシになってください!」 「ねぇ私と付き合って?」 僵尸娘(キョンシーガール)さんが 登校してくる男子YOKAIに片っ端から声を掛け つづきを読む 座敷童子ちゃんの探し物 「ざ、ざしきわらしが出たぁ!」 日曜のまっぴるま、となりの部屋でおひるねをしてたはずの父ちゃんが大声を上げた。 つづきを読む

  • KyonshiGril’s story | YOKAI ACADEMY

    Characters 僵尸娘さんさんボイス 僵尸娘(キョンシーガール)は諦めない。 「あなた彼女いますか?」 「私のカレシになってください!」 「ねぇ私と付き合って?」 僵尸娘(キョンシーガール)さんが登校してくる男子YOKAIに片っ端から声を掛けるのは、もはや日常の光景だ。 決して嫌われるような容姿ではない、むしろかわいい部類に入るのに、なぜかカレシができない。 その原因は額に貼られた<呪符>にあり、本人はそれを<願いが叶う神のお札>だと思い込み、毎日祈りを込めて新しくしているほどだ。 そんな訳で、男子は彼女からアプローチされると、たとえそれまでとても話が合い、親密度も高まり、どう見ても付き合うような流れであっても、僵尸娘さんから告白されると、さっきまでの二人の盛り上がりはなんだったのか、と思うほど呆気なく振られてしまう。 中には、告白する前から断られてしまうケースもあるほど、とにかくカレシができない。 「どうしてみんなカレシになってくれないの?私ってそんなに魅力ないのかな。。。」 「あぁ白馬の王様、いつになったらお迎えにきてくれるの??」 教室の窓から空を見上げ、白馬の王子様への想いを募らせていると、一枚の紙が僵尸娘さんの顔面を直撃した。 「うわ!なに?」 驚きながら、その紙を見てみると、雑誌の切り抜きだろうか、 『モデル、俳優の次は歌手デビュー!今をときめくSくん独占インタビュー』 というタイトルと共に、超絶イケメンの人間の写真が載っていた。 「お、王子様!」 「私の白馬の王子様!ようやく見つけた!」 ちょうど始業のチャイムが鳴り、先生が入ってくるとほぼ同時に、僵尸娘さんが外へ駆け出す。 「僵尸娘さん、どこへいくの!?授業ですよ!」 「先生、王子様が見つかったの!会いに行ってくる!」 「お、王子さま?ちょっと待ちな・・・」 先生が制する間も無く、僵尸娘さんは走り去っていってしまった。 僵尸娘さんは雑誌の切り抜きにライブの情報があるのを瞬時に見つけ、それがなんと今日だということを見て、飛び出してきたのである。 妖魔ゲート(他のデジタル空間へ繋がっているネットケーブルのようなもの)を通り、ライブ会場のあるメタバースへ。 「そうだ、ここは人間の世界。このままじゃきっとダメよね。変げしなきゃ。」 そういうと「変げの術」と唱え、たちまち可愛らしい人間の女性の姿に。 「これで王子様をゲットだわ」 ライブ会場に到着すると、すぐさま裏口から出入りするスタッフらしき女性に変げし、いとも簡単に関係者エリアに入り込むことができた。 中に入ると、場内マップで控室を確認すると、足早にSくんがいると思われる出演者控室へと向かう。 タタタタタタタタタタ・・・ 徐々に足早になる僵尸娘さん。 そこの角を曲がれば・・・ ドン! 「あ!大丈夫ですか?」 「すみません、ステージへ集中してて」 爽やかなイケメンが手を差し出しながら心配そうに僵尸娘さんを覗き込んできた。 それはSくんであった。 『こんなベタな出会い!やっぱりこの人が私に白馬の王子様なんだわ!!』 心の中で思いながら、今にも飛びつきたい気持ちを抑えて、 「だ、大丈夫です。私こそごめんなさい。」 「よかったぁ。怪我させてしまったらどうしようかと。」 本心から安心したように一息つくSくんをみながら、 「あのぉ、私のカレシになってください!」 といつものように我慢できず言ってしまった。 すると、呪符の効果が発動し、 「え?あの、お気持ちは嬉しいんですが、僕これからステージなんで、お体大丈夫なら、僕、いきますね。」 「どこか痛くなったら、僕のマネージャーに言ってください!」 と言いながら走り去ってしまった。 「待ってぇ。。。」 またもや呆気なくフラれてしまった。。。 「王子様、私のことがわからないの?」 もはや勝手に結ばれている二人の設定になっているようだ。 「そっか、もっと綺麗な女性が好みなのかも!」 そういうと、たちまち誰もが振り返るような美人に変げした僵尸娘さん。 「これなら絶対大丈夫ね、ふふ。」 呟きながらS君の楽屋へ改めて向かう。 コンコン。 「はい、どうぞ〜」 ドアを開けるとS君がソファに座り、目を閉じて集中力を高めるかのように、リズムに乗っていた。 「ヘアメイクにきました〜」 「あ、お願いします〜」 Sくんはちらっと僵尸娘さんの方を見て返事をして、すぐにまた目を瞑ってしまった。 すぐにSくんの背後に周り、髪の毛をそれらしくいじりながら、もうすぐにも抱きつきたい感情を抑え、 「最近どうなんですか?気になる女性とかできました?」 と聞いてみる。 「いやぁ、僕は今お仕事一本なんで、女性は今はいいです。」 「またまたぁ。たくさん女性からアプローチされてるでしょう?」 「いやぁそうでもないですよ。」 さっきのは記憶にもないの?と心の中で思いながら、 「じゃあ私、Sくんにアタックしちゃおうかなぁ」 「冗談やめてくださいよ」 「本気よ。私と付き合わない?」 そう言った瞬間、今まで目は閉じたままでも軽快に返事をしてくれたSくんが急に僵尸娘さんの方に振り向き、 「いや、無理です。申し訳ないんですけど、終わったら集中したいんで一人にしてもらっていいですか。」 と真顔で言ってきた。 「え、なんで?」 「あ、マネージャーさん、ちょっといいですか?」 S君は僵尸娘さんから目を逸らすとすぐに電話を始めてしまった。 そこから一言も話さず、見向きもせず、すぐにマネージャーも来てしまったため、僵尸娘さんも渋々離れるしかなかった。 それでも諦めない僵尸娘さんは、そこから何度もいろんな女性に変げしては、S君に接触をするも、結果はいつも同じで、告白やそれに該当する言葉を発した瞬間、今まで笑いながら対応してくれていたSくんは決まって急に断って僵尸娘さんから逃げたり、黙り込んだりと、断られ続けた。 そうこうしてるうちに、流石に立て続けにS君に女性が近づいているということで、Sくんの警護及び会場内の警備が増強された。 結果、僵尸娘さんもS君に簡単に近づくことができず、遂には警備員に見つかり、追い出されてしまった。 「なんでよ!どうして私のカレシになってくれないの?白馬の王子様なのに!」 僵尸娘さんもさすがに少し落ち込み、そのまま道端にしゃがみ込んでしまった。 どれくらい時間がたっただろうか。 「大丈夫?」 不意に声をかけられ、少し驚きながら顔をあげると、目の前にはイケメンが覗き込むように立っていた。 通りすがりの男性が心配して声をかけてきたのだ。 そして、イケメンだ。 そんなイケメンを見て、さっきまでしゃがみ込んでいたにもかかわらず僵尸娘さんは飛び上がる勢いで立ち上がった。 「あなたが本当の白馬の王子様だったのね!」 「え?なんのことかわからないけど、君大丈夫?」 「はい!あなたに出会えたから大丈夫です!」 「ははは、君面白いね。それにかわいいね。ねぇよかったら、アイドルにならない?」 そう言いながらイケメンは名刺を差し出してきたが、僵尸娘さんはその名刺には見向きもせずイケメンに詰め寄る。 「その前に私のカレシになってください。」 ものすごい勢いと、そして呪符の力が発動し、イケメンは咄嗟にのけぞり、少し後退しながら、 「え、いや、あぁ、ごめん。さっき言ったことは忘れて。じゃ」 と言い残し、イケメンは逃げるように行ってしまった。 「もう!なんで逃げるのよ!!」 「あぁ、白馬の王子様。必ず見つけるんだからね!」 先ほどの名刺を拾いながら、そう誓う僵尸娘さんでした。 ストーリーを読んでいただきありがとうございます! ぜひボイスもお聞きください! 僵尸娘さんボイス 僵尸娘さんの詳細ページ

  • Kinkaku’s story | YOKAI ACADEMY

    Characters 金角くんボイス 金角くん、危機一髪! 「金角くんは今日もですか?」 先生が呆れながらも、仕方ないですねと言う。 クラスには何人かのいわゆるヤンチャなYOKAIたちがしばしば授業に出ないことがあるが、金角くんは少し事情が違う。 YOKAI ACADEMY入学前の金角・銀角はいたずら好きな兄弟として有名で、いつも二人でいろんなイタズラをして楽しんでいた。 とりわけ相手の 名前を呼び、呼ばれたものが返事をするとその者を吸い込んでしまうという瓢箪を使って、相手を閉じ込めるイタズラは二人の大のお気に入りだった。 そんなある日、二人はいつものようにイタズラ対象を探し、森に入っていた時のことである。 突然七色に光るものが飛んでいくのを見かけた二人は、それを追いかけ、なんと捕まえることに成功した。 七色に光るのは、世にも珍しいカブトムシだった。 銀角は、「なんだ、虫か」と言い、早く獲物を探そうと、イタズラに戻ろうとしたが、金角はそのカブトムシに夢中になり、あらゆる角度から観察した。 そしてこの日を境に、金角くんのイタズラに向けられていた情熱は、一気に昆虫へ注がれることになったのである。 というわけで、金角くんは今日も授業はそっちのけで、森へ入り、珍しい昆虫を探し求めているのである。 ーーーーーー (森の中) 「今日こそ珍しい昆虫見つけるぜぃ」 今や昆虫博士の異名を持つほどになっていた金角くんであったが、逆に新しい昆虫に出会えなくなっていた。 この森もだいぶ探検し尽くされ、「やっぱり珍しいのはもういないのぉ」とブツブツ言っていると、突然、『ドン!』と言う音と共に、激しい地震が起こる。 「なんだぃなんだぃ!?」 驚いた金角くんは音がした方にすぐさま走り出す。 森の端までくると、この森を知り尽くしているはずの金角くんは、一瞬自分がどこにいるのかわからないような感覚に襲われた。 彼の知る森の端であり、同時にこの島の端「だった」そこには新たな土地が広がっていた。 「なんだぁココはぁ!?」 足元をよく見ると、そこには割れ目があり、確かに元々はココが島の端だったようだ。つまり急にそこに新たな土地が出現したのである。 そこは、一見森のように見えるが、大きなビルのようなものも見える。 次の瞬間、ものすごい速度で、金角くんの目の前を何かが横切る。 と思うと、すぐにフワッといい香りがしてきた。 いい香りに惹かれながらも、その何かを追いかける。 その小さなものは、まるで金角くんを待っているかのように、時折止まってはまた飛んでいく。 前を飛ぶ何かを追いかけているつもりだった金角くんだが、次第に 「いい香りだぁ〜」としか考えられなくなり、その足は無意識に前を飛んでいく「何か」を追っていた。 どれだけ歩いただろうか。 金角くんは足元の何かを踏みつけバランスを崩しよろけた際、支え手に覚えた痛覚により正気に戻る。 そこは森の中にポツンとある広場のような場所だった。 そして目の前にはハチのような蝶のような、見たこともない「何か」が飛んでいた。 しかも無数に、だ。 「おお!何じゃこれはぁ!チョウ?いやハチかぁ?チョウバチかぁ?」 新種の昆虫を見つけたのかとワクワクしながら、じっと見つめていると、チョウバチと金角くんが名付けた「何か」たちが急に集まり、次の瞬間、金角くんに向けて一斉に飛んできた。 いや、飛びかかってきたと言うべきか。 そのあまりの勢いに、金角くんは「うわっ」と声をあげのけぞってしまったが、これが奏功し、間一髪避けることができた。 チョウバチの集団は、すぐさま回頭し、また金角くん目掛けて飛んでくる。 明らかに金角くんを狙っているようだ。 今度は冷静に躱したが、さすがに自分を狙っていることを察した金角くんは、すぐさまその場を離れようとした。 しかし、不意に意識が遠のく感覚に陥る。 あの「香り」のせいだった。 つまりはこうだ。 このチョウバチは他者を誘惑する特殊な香りを出し、自らのナワバリに引き連れていき、最後は集団で襲うのだ。 「ここで意識を失っては、こいつらに襲われてしまう。しっかりしろぃ金角ぅ!」 そう自らに言い聞かせ、何とか正気を保とうとする金角くんだが、先ほどよりも大量の香りが容赦なく金角くんの意識を奪っていく。 このままではまずいと、咄嗟に転がっていた石を自分の頭に打ちつけ始めた。 鈍痛と共に、意識がはっきりしてきた。 「これも長くは続かねぇ。何とかしねぇと」 すぐさま森の中へ逃げる金角くん。 チョウバチも逃すまじと、大群で追いかけてくる。それも凄まじい速度で。 途中何度かチョウバチの攻撃をよけ、その際に浴びてしまう香りから意識を保つため、また石を自分に打ち付けながら、ひたすら逃げる金角くん。 無意識に歩いてきたため、ACADEMYの方角もわからなかったが、とにかく今は逃げることが第一。 「はぁはぁ、このままだとやばいぞぉ」 「アニキ!」 朦朧としながら走っていると、突然聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「アニキ、こっちだ!」 弟の銀角くんが叫びながら手を振っている。 「銀角!来てくれたのかぁ」 「チョウバチに追われてるんだぃ!」 「チョウバチ?」 「銀角、ひょうたんは持ってるかぁ!?」 「おう!いつも持ち歩いてるぜ!」 「よし、それを貸してくれぃ!」 銀角くんからひょうたんを受け取ると金角くんは、チョウバチたちに相対した状態で、ひょうたんの口をチョウバチたちに向け地面に置き、持っていた虫眼鏡で、ひょうたんを覗き込んだ。 「拡大の術!」 そう言うとひょうたんは見る見る大きくなったではないか。 金角くんが持つ虫眼鏡は普段は単なる虫メガネで昆虫観察に使うものだが、実は妖術を込めると虫眼鏡でみた対象物を一定時間実際に拡大させることができるのである。 ひょうたんが大きくなったことで、チョウバチの大群がそのままひょうたんの中に突っ込んで行ってしまった。 あらかたチョウバチが中に入ると、「銀角、今だ!」という掛け声に即座に反応した銀角くんがひょうたんにフタをした。 「助かったぁ〜」 金角くんはそのまま尻餅をつき、仰向けに寝転んだ。 「それにしてもぉ、よく来てくれたぁ、銀角。」 「あぁ、角が疼いてよ。アニキが危ないんじゃないかって。」 そう、二人の角は互いが危機に直面すると、疼くのだ。 その疼きの角度などでお互いの位置も大まかにだが分かるのである。 「それにしてもここはどこなんだ?こんな場所あったか?」 「いやぁ、俺にもわからねぇ」 そう言う金角の目の前にひょうたんに入り損ねたチョウバチが一匹飛んできた。 「一匹だけなら、香りさえ気をつければ怖くねぇ。捕まえて観察しねぇとな」 そういうと、金角くんはさっと飛び起き、チョウバチを追いかけ始めた。 「まだ追いかけるのかよ!」 呆れる銀角くんを横目にあっちこっちとチョウバチを追いかける金角くんであった。 「それにしてもなんでいきなりこんな場所が現れたんだ?」 銀角くんは向こうに見えるビルを見上げながら、ボソッとつぶやいた。 ストーリーを読んでいただきありがとうございます! 再度ボイスも聞いてみてください 金角くんボイス 金角くんの詳細ページ

  • Cookie(クッキー)ポリシー | YOKAI ACADEMY

    Cookie Policy If your website collects and uses personal information of site visitors through the use of cookies or similar technologies, it must be clearly stated. What tools (e.g. cookies, flash cookies, web beacons, etc.) are used on the website, what personal information is collected, and how the collected information is used Please specify. State that third party service providers, such as Google Analytics and other apps that use cookies or other information collection technologies through Wix Services, should have their own policies regarding the collection and storage of personal information. things are also important. As these are external services, they are not specified in Wix's Privacy Policy. For more information about the use of cookies on your Wix websitehere Please refer to the. The descriptions and information provided herein are for general descriptions, information and samples only. It is also not legal advice or a recommendation for practical measures. We encourage you to seek professional legal advice for better understanding and assistance in developing your cookie policy.

  • KAPPAK | YOKAI ACADEMY

    Broadcasting Club 概要 参加方法 制作マニュアル 販売方法 参加期限 エントリー あなたのKAPPAを作って、みんなでひとつのコレクションを作り上げよう! KAPPAは、日本の超有名なYOKAIであり、各地にKAPPA伝説があります。 また日本を飛び出し、海外にも類似のYOKAIやモンスターが存在するため、 YOKAI界のレジェンドとも言えます。 そこで、YOKAI ACADEMYのスピンオフ企画として、みなさんと一緒に作り上げるKAPPAシリーズを ココに立ち上げます。 ベースのカッパを自由に使って、色を変えるだけでもOK、服を変えたり、髪型を変えたりするのもOK、 それがコラボコレクション<KAPPAK(カッパ)>です。 <参加方法> (1)ご参加いただける方(クリエイターでない方も大歓迎)は、素体とベースの制服が入っているデー    タをダウンロード ください。 (2)そのデータをもとに、自由に制作いただく。ただ、それだけ。 ベースの上に、服を着せたり、髪型を変えたり、目を変えたり、ご自身のキャラクターなどを絵の 一部に追加したり、自由に手を加えていただき、あなたのKAPPAをご制作ください。 注)基本的にはカッパでお願いいたします。      コラボいただく場合もなるべくカッパであることがわかるようにお願いいたします。 (3)完成データの背景が透過されたPNGデータをGoogleフォーム からご提出ください。    その際、必要な情報のほか、KAPPAの名前や特徴などもご記入いただけます。    ※名前や特徴などは無記入でも構いません。その場合は、こちらで決めさせていただきます。 素体 <制作マニュアル> ■画風について:  現在はベーシックなアニメ塗りです。 そのままのテイストでもいいですし、描き込みを加えて、ご自身の作画テイ   ストに寄せていただいても構いません。  また、あなたのオリジナルキャラをKAPPAのどこかに追加いただくのも自由です。  肩や頭に乗せたり、デザインとしてご使用いただいたり、アイテムとして追加したり。 ■NG:   パーツを自由に変更したり、アレンジすることは可能ですが、ポージングとサイズは変更しないようにお願いいた  します。 ■服装について:  服装は基本的には「学内での学生」に即したもの でお願いいたします。 男子 ・学ラン ・ブレザー 女子 ・ブレザー ・セーラー服 猫又のように、オシャレとして上着にパーカーを着ているなど、制服+αだということが分かる範囲でのアレンジは大歓迎です。 既存の学生服に合わせていただいてもいいですし、新たなデザインの学生服でも構いません。 ブレザーのベースデザインデータは付属します。 ■金箍 (キンコ) に関して:  金箍とは、孫悟空の頭に嵌められた輪っかのことですが、YOKAI ACADEMYでは、入学の証 です。  サンプルでは、腕にはめていますが、ネックレス型、イヤリング型、頭にはめるタイプ、さまざまなデザインが可  能なので、お 好きな箇所にアクセサリー的に付けて いただければ幸いです。   シンプルでも豪華なものでも大丈夫ですが、ベースの色はサンプルのものに合わせて ください。 ■各種情報について:   名前や概要、ステータスなどについては下記をご参照ください。 ←背景:  こちらで作品に合わせて用意させていただきます。  ご自身で合わせていただいても結構です。  ベースは、中心から外に向かって、グラデーション   させた背景になります。 ←Discription欄に、「Collaboration with @@@」  という形でお名前を入れさせていただきます。 KAPPA #001 ←名称は、通し番号で付けさせて いただきます。 参考: メインコレクションでは 「優等生」「ヤンチャ」「オシャレ」 という3つのグループにそれぞれ分けています。 それぞれ「学力」「体力」「精神力」という3つのステータスがあり、 この合計が「妖力」となります。(合計で10になる) その他詳細な設定なども含めて、自由に決めていただけます。 決めていない場合はこちらで設定させていただきます。 ※上記名前や各種設定は、ご提出の際、Googleフォーム にご記入いただけます。  楽しみにながら決めていただければと思いますが、無しでも構いません。 ■数量について:   何対でも、何回でもご参加いただけます。男の子を描いたら、次は女の子のKAPPAを。カップルや 兄弟、姉妹、  ライバル同士、同じ部活仲間、バンド、さまざまな設定でご制作ください!  何度もでいちぴーが責任を持って販売いたします! <販売方法と売上> ■販売場所: 販売は、いちぴーのOpenSeaからコレクションを作成し販売させていただきます。  完成データをお送りください。 ■販売価格: ①固定価格   基本的にpolygonで0.01紫ETH で販売します。   その80%(0.008紫ETH)をお支払 いします。 ②オークション  もし固定価格で販売したくない場合は、オークション形式で販売いたしますので、遠慮なくご申請ください。  その場合分配率は70% とさせていただきます。  ※販売方法は、ご提出の際のGoogleフォーム にてお選びいただけます。 ■二次流通: 二次流通が生じた場合のロイヤリティは、以下のように分配させていただきます。 ・ロイヤリティの50%をお支払いいたします。 ・作品ごとに二次流通のロイヤリティの合計が0.01(紫eth)に達した時点でお支払いいたします。   (一度お支払いしたら、また次にロイヤリティの合計が0.01ethに達するまでお待ちいただきます。) ■著作権について:  著作権は共同保有 となります。  いちぴー(@IchiP7777 )及びYOKAI ACADEMY運営は自由に使用できることとします。  NFTとしての販売以外では使用しないで欲しいという場合は、事前にご連絡ください。  将来的にグッズなど収益が発生した場合、当該クリエイターと利益を分配いたします。  (詳細はその可能性が浮上した時点で相談して決定させてください。) <参加期限> 本企画は、期限を設けておりません 。 当然、締切もありません 。 参加したい時、ご都合のいい時、ご自身のペース にあわせて制作いただき、ご参加いただけます。 このコレクションは、長く続けて、やがてミニオンズのようにたくさんのKAPPAが集えば 嬉しいです。 今この詳細をご覧いただいている瞬間にご参加を決定し、制作を開始されても結構ですし、翌月なら時間があるということであれば、翌月にご参加いただき、それが半年後でも構いません。 このコレクションはそれだけ長く続けていきますし、それがこのコレクションの面白みに繋がると考えています。 ※今後YOKAI ACADEMYとしてイベントごとや特典などを付与させていただく際は、その時点でListされているものを対象とさせて頂きますので、ご参加のタイミング次第ではイベントに登場しない、特典がつけられないといったことが起こり得ますが、あらかじめご了承ください。 <エントリー> KAPPAのデータをダウンロードして KAPPAを作る あなたのKAPPAをエントリーする 2種のKAPPAのPSDデータが入ったzipファイルがダウンロードされます。 万一ファイルが開かないなど不具合ございましたら、いちぴーまでDMください。 Googleフォームが開きますので、必要項目をご記入の上、PNGデータをご提出ください。 <最後に> <KAPPAK>(読み方:カッパ)の綴りの最後の「K」は、kmやkgなどのKで、1000を表します。 日本では馴染みが薄いですが、海外では1000を1K、10000を10Kと表記したりします。 ゆえにこの「K」を付けることで、「たくさんのKAPPA」という意味にしています。 これは、たくさんの方と繋がり、たくさんのKAPPAを作っていきたいという思いと、このKAPPAというコレクションを通して、みなさんの活動の宣伝や支援に少しでも役立ててほしいと願っています。 たくさん集まれば集まるだけその輪と力は大きくなり、よりたくさんの方の作品が、よりたくさんの方の目にとまると信じています。 あなたの渾身のKAPPA、お待ちしております! 現在出現しているKAPPAたちは こちらからチェック!

  • Broadcasting | YOKAI ACADEMY

    Broadcasting Club Streaming every Thursday from 22:00 on Twitter space. (Japanese Only) Cloud Cloud Cloud Cloud Cloud Cloud YOKAI ACADEMY Kinkaku-kun voice unveiled for the first time YOKAI ACADEMY Broadcasting Club #1 YOKAI ACADEMY Broadcasting Club #2 YOKAI ACADEMY Broadcasting Club #3 Unveiled voice for the first time YOKAI ACADEMY Broadcasting Club #4 YOKAI ACADEMY 放送部#5 KAPPAKの話 Cloud Cloud YOKAI ACADEMY 放送部#6 YOKAI ACADEMY 放送部#7 KAPPAK参加クリエイター紹介①

  • Amabie's story | YOKAI ACADEMY

    Characters ボイス アマビエさん、 災難な1日。 自宅の水槽から次の水槽へと潜り、 登校すると、いつもようにYOKAIたちが集まってきた。 「アマビエちゃん!自画像カードちょうだい!」 「わたしにも!」 「オレにも!」 心優しいアマビエさんは、嫌な顔ひとつせず、一列に並んでくださいと言うと、早速自画像を手持ちのカードにささっと描き、一人ずつに配りはじた。 順調に筆を走らせていたが、半分ほど配り終わるとアマビエさんの表情が少し曇る。 筆ペンの出が悪くなってきたようだ。 最後まで持つのか心配になりながら、少し描く速度を早める。 しかし、YOKAIたちはそんなことはお構いなしに、それよりも早いペースで新たに列に並でいく。 「あのぉ、もしかしたらインクが切れて、全員分差し上げられないかもしれません。だから今並んでも。。。(小声になっていく)」 普段断らない彼女もさすがに心配になり、そう伝えた。 「また明日も配りますからぁ。」 しかし、YOKAIたちは一切引き下がらない。 慌てながらも、どんどん筆を進めるアマビエさん。 その時は急に訪れた。 「ひゃっ」 運悪く、まだ描いている途中だった。 アマビエさんの顔が急にこわばる。 このまま未完成で終わると、通常は幸運を運び、厄災を遠ざけてくれるはずのカードが、逆に小さなアンラッキーとちょっとした災難を運んできてしまうことは一般には知られていない。 『どうしよう、このままだとこの人に。。。』 すぐに代わりのペンを探し、絵を完成しなければ。 慌てて、替えのペンを探すが、見当たらない。 『え?なんで?替えがない!』 こんな時に限って替えの筆ペンを持ってきていなかった。 「アマビエちゃん、どうしたの?ペンが出なくなったのなら、私の貸そうか?」 完成を楽しみに待っていた最前線のYOKAIが声をかけてきた。 「あ、うん・・・」 「ありがとうございます。でも私、使い慣れたペンじゃないと上手く描けないんです。」 そうやんわり断るが、ペンの替えを持っていないことに変わりはない。 「大丈夫、私そんなに気にしないから少しくらい普段と違っても大丈夫だよ。」 「ごめんなさい、それだと私が気になってしまうので。」 なんとか取り繕おうとするが、アマビエさんの表情はどんどん強張っていく。 『どうしよう。このままではこのYOKAIさんにアンラッキーなことが。』 顔色がどんどん悪くなるアマビエさんを見て、さすがに周りのYOKAIたちが異変を感じ始めた。 「痛っつ!」 不意に、自画像カードが完成するのを待っていたYOKAIの頭に紙飛行機が命中した。 「わりぃわりぃ、変な方向に飛んでちまった。」 クラスメイトのYOKAIがレポート用紙で紙飛行機を飛ばして遊んでいたものが、YOKAIに命中したのだ。 『え?まさか!!』 よくありそうな光景だが、今のアマビエさんには全てが自分の未完成カードのせいのように感じてしまう。 「反対方向に投げたつもりだったんだけど、なんかそっちに行っちまってよ。」 そう言いながらYOKAIが紙飛行機を拾いに近づくと、突然YOKAIが足を滑らせ、勢い余ってYOKAIの足を踏んでしまった。 「キャッ!!いったぁい!!!何すんのよ!!!!」 甲高く短い悲鳴の後すぐに怒号が響く。 「いや、急になんかに引っかかって、バランス崩したんだよ。わざとじゃねーんだって。わりぃな。」 「はぁ、何もないのに引っかかるわけないでしょう!」 「俺がウソついてるっていうのかよ!」 「ちょっと待ってください!」 二人のやりとりがエスカレートする中、アマビエさんが割って入ってきた。 連続してYOKAIに起こったことを見て、確信したアマビエさんが、これ以上YOKAIとその周りにアンラッキーが起こらないように、 「実は・・・」と自身のカードが未完成だとどうなるかを打ち明けた。 「そういうわけで、YOKAIさんに起こったアンラッキーは私のせいなんです。ごめんなさい!」 アマビエさんが話し終わると、不気味なほどの静けさが教室を襲う。 「じゃあ、私、この後もアンラッキーなことがおこるの!?それっていつまで続くの!!」 YOKAIが恐怖と怒り混じりに静寂を打ちぶると、今まで我先にカード欲しさに集まっていた群衆は恐怖に駆られ、騒然となった。 必死に落ち着かせようとアマビエさんが声をかけるが、すぐにその場を離れるもの、自分がもらったカードは完成品なのかと詰め寄るものなど、教室はまさにカオスと化した。 「雪乃精さぁ、あいつらの頭冷やして。」 ぼそっと一言いうと、どこからともなく、急に騒ぐYOKAIたちに向かって吹雪が吹きつけ、YOKAIたちは一瞬で凍り立いたように静まり返った。 「あんたらさ、今まで散々人様に自画像描かせて幸運もらって、ちょっとアンラッキーが続いたからって今度は寄ってたかりやがって。」 そういうと、彼女は「もういいよ」というと、吹雪はやみ、全員が落ち着きを取り戻した。 「そうだよね。ごめんねアマビエちゃん。」 「私こそ、黙っててごめんなさい。」 「ねぇねぇ、その筆ぺんってどこにあるの?すぐに替えを持って来れないの?」 YOKAIはアマビエに謝りながら、尋ねた。 「自宅に戻ればあるのですが。」 「じゃあ今すぐ戻れない?」 「そうしたいのですが、実は先ほどの吹雪で近くの水槽の水が凍ってしまって、すぐに移動できないかもしれないのです。」 一斉に視線が先ほど吹雪を吹かせた彼女に向く。 「じゃあどうすれば。」 不安そうにYOKAIがいうと、 「水槽の水を交換していただくか、私が今入っている水槽ごと移動していただくか、ですかね。」 「と言うより、両方かもしれません。」 アマビエさんが指差す方向を見ると、これもアンラッキーの効果なのか、アマビエさんの足元の水も凍っているようだ。 「これでは、そもそも私が水槽に潜れないのです。」 「よし、じゃあみんなで学校中の水槽の水を交換しよう!」 YOKAIが威勢よく提案した。 「全部!?」「そんなの何個あると思ってるんだよ!」 「みんなでやりゃぁすぐだろ!」 「それはそうだけど。」 「さっきアイツにも言われただろ、いつも俺たちがアマビエにお願いばっかで、アマビエのこと考えてなかっただろ。」 そうYOKAIが言うと、「そうだそうだ」と声が上がった。 「そうと決まれば、すぐやろうぜ!」 こうしてYOKAIに降りかかるアンラッキーを(自分に影響が及ぶのを)心配しながらも、YOKAIたちは二手に分かれ【水槽の水を変えろ大作戦】を開始した。 足の速さと力持ちグループは校舎に散らばり、各所の水槽の水の交換に走った。 一方アマビエさんが入っている水槽は水を交換することができないため、氷を溶かす必要があり、火を扱えるYOKAIが火力を調整しながらアマビエさんの足元を温め始めた。 同時に、急激にガラスを暖めると、ガラスが割れたり、変形する可能性を考慮し、最悪の場合を考え、瞬間的に冷気を出せるYOKAIがそばで緊張しながら待機していた。 こうして、同時に行われた【水槽の水を変えろ大作戦】は着々と進み、凍ってしまった水槽は全て入れ替えられ、残すはアマビエさんの足元の水槽のみとなった。 YOKAIは、自分に降りかかるアンラッキーが他者にも影響しないように、隅で大人しくしていたが、不意に「きゃっ」や「イタッ」などの声が聞こえてきた。 しばらくして、校舎中の水槽の入れ替えが終わり、アマビエさんの足元の氷が全て溶けたところで、アマビエさんが潜れるように再度凍らない程度に冷気を掛け、水を冷やした。 「みなさん、ありがとうございます!これで潜れます!」 「YOKAIさん!もう少し待っててください!すぐに戻りますから!」 そういうと、アマビエさんは勢いよく、水槽の中に飛び込む。 教室は時計の針と時折YOKAIの悲鳴のような声以外はなく、YOKAIに降りかかるアンラッキーは、段々と間隔が早くなり、時には今まで以上に大きいな声を上げるようなことが増えてきた。 「お待たせしました!!」 勢いよく水槽から飛び出してきたアマビエさんが、半分宙に浮きながら、叫んだ。 「YOKAIさん、カードをください!」 YOKAIからカードを受け取ってみると、描かれた自分の顔が妖しく不気味な表情に変わっているように見えた。 その状態から、再度表情を修正し、未完成部分をさささと描きあげると、 ふぅと大きく息をつき、 「YOKAIさん、私の自画像カードです。あなたに幸多からんことを。」 いつもの言葉と共に、自画像カードをそっと差し出す。 YOKAIがそれを受け取った瞬間、 「みんな何してるんだ?テスト返すから、早く席につけ~。YOKAI、おめでとう満点だ。」 と言いながら、先生が教室に入ってきた。 今日もYOKAI ACADEMYの授業が始まる。 ストーリーを読んでいただきありがとうございます! 再度ボイスも聞いてみてください ボイス アマビエさんの詳細ページ

  • Portraits | YOKAI ACADEMY

    Portraits This is an art-style portrait that will be airdropped to those who become the primary owner. Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over Mouse Over

  • プライバシーポリシー | YOKAI ACADEMY

    privacy policy A privacy policy is a policy that discloses some or all of the ways in which a website collects, uses, discloses and manages visitor and customer data. This is to meet legal requirements to protect the privacy of our visitors and customers. Each country has its own laws, and different jurisdictions have different requirements regarding the use of privacy policies. Check to see if you are following the laws relevant to your business or location. In general, what should a privacy policy cover? WHAT TYPES OF INFORMATION DO WE COLLECT? How do we collect information? Why do we collect such personal information? How do we store, use, share and disclose site visitor personal information? How are you communicating with your site visitors (or not)? Do your services target and collect information from minors? Update privacy policy contact info Learn more about how to create a privacy policyhere Please refer to the. The descriptions and information provided herein are for general descriptions, information and samples only. It is also not legal advice or a recommendation for practical measures. We recommend that you seek professional legal advice to better understand and support the development of your privacy policy.

  • NFT | YOKAI ACADEMY

    YOKAI ACADEMY is a character NFT in web3. NFTからIPへ From NFT To IP YOKAI ACADEMY IP creation project starting from NFT . Official X(twitter) IchiP's X(twitter) OpenSea Discord World View of the world Human beings have digitized themselves, developed technology that allows them to live in the Digital World, sought a richer and more free life, and moved to various Digital Worlds, the so-called Metaverses. On the other hand, due to the development of science, YOKAI, who are spiritual beings, have been forgotten by humans. Such YOKAI gathered in the Metaverse, where there were no people to log in, and with the aim of restoring the authority of YOKAI, they made an educational program and created a special school. That is . Here, students of various YOKAI, some serious in their studies, some belonging to the cool group, and some belonging to the punk group, learn various tricks everyday in order to live among the human world or, conversely, to play pranks on humans. Belong to your favorite group, participate in various school events, and enjoy YOKAI ACADEMY life! Charcter character YOKAI appearing in YOKAI ACADEMY has various origins such as Japan, China, the Middle East, and Europe. , is designed so that it can be used in various ways as a character IP. Student list (character picture book) art style portrait ミニストーリー Story ストーリー Short Stories 各YOKAIのミニストーリーが読めます。 それぞれのYOKAIのことをより知ることができるストーリーとなっています。 教室に行く MANGA /漫画 漫画家すとぽぷ先生による、YOKAI ACADEMYの日常を描いた漫画。 図書室に行く 公式YouTube ボイスドラマや告知、来春公開予定の動画を見ることができます。 視聴覚室Aに行く 公式TikTok 漫画を元に、音楽や効果音が入ったモーションコミックを見ることができます。 視聴覚室Bに行く 教育方針 Educational Policy (ROAD MAP) Phase1 Recognition expansion/creation of base community ■ YOKAI NFT (PFP) release ■ Open the official website ■ Open Discord →New students will be given a student ID card NFT ■ Recruiting members (engineers, designers) Phase2 Growing the community ■ Development of the story Regularly distribute mini dramas. ■ Collaboration with voice actors To recommend both voice actors who are in charge of characters and voices. To create content that you can enjoy doing. → Characters and voice actors grow together. Phase3 Improve community satisfaction/ Increase value (profit co-creation ) ■ Development and release of generative Collaboration with other NFT creators ・Transformed Generative ・Underclassman YOKAI Generative Phase4 Creating fans physically ■ Implementation of real (physical events) Draft content ・Exhibition of YOKAI NFT ・Mini games ・Collaboration artist exhibition ■ Development of real goods →By having NFT non-entrants experience it in real life, Create an opportunity to participate in NFT. Utility Owner benefits (Utility) ① For those who became the owner in the first time, the character'sart Wind Portrait NFT Airdraw (black ETH). (2) Preferential treatment in all future YOKAI ACADEMY events. ③ Enter the YOKAI ACADEMY (Discord) room. ④You can vote by class to decide the policy of YOKAI ACADEMY. Items under consideration ■When it is monetized, the profit is distributed to the owner. ■ When deciding the voice actor of the character, there is a certain amount of authority.

  • Correlation Chart | YOKAI ACADEMY

    Characters A list of characters that appear. You can see the whole body here, so please use it for your second creation.

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